新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関わる、海外組織発の提言等を、連携組織らの協力を得てまとめています。日本語、英語両方の言語でご覧いただけます。 最新公開日:2021年3月26日
EURORDIS 提言(2020年11月発表)
希少疾患を抱える人々は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第一波中に深刻な影響を被った:欧州における3,000万の人々を忘れてはならない *日本語
*EURORDISの許諾を得て、オリジナルPDFの共有ならびに和訳展開をおこなっています。
EURORDIS-Rare Diseases Europe(欧州希少疾患患者協議会)は、新型コロナウイルス(COVID-19)の第二波に直面していることを受け、2020年4月から5月にかけて複数の国で実施した調査の最終結果を公表しました。この状況が続くことを想定したうえで、EURORDISは、政府や医療システムは従来のその場しのぎのアプローチから脱却し、COVID-19という不安定な状況であおりを受けやすい人々のニーズを忘れることのない、より持続可能で回復力の高い医療システムの構築に取り組むべきだ、と提言しています。
APARDO (Asia Pacific Alliance Rare Disease Organization, アジア太平洋希少疾患団体連合)提言(2020年8月発表)
Managing Rare Diseases in APAC during Covid-19 *オリジナル、英語
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大下におけるAPAC における希少疾患マネジメント ―組織的な課題、対応、今後の方向性 *日本語
*APARDOの許諾を得て、オリジナルPDFの共有ならびに和訳展開をおこなっています。
APARDOは、アジアパシフィック領域における希少疾患患者団体連合です。Rare Disease International(RDI)のアジア支部という役割も備えています。本調査はアジアパシフィックの患者団体80組織(10カ国・地域)の調査結果が紹介されています。日本からはJPAならびに難病のこども支援全国ネットワークが回答しました。
Rare Disease International(RDI)提言(2020年7月発表)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う対応・復旧期「より良い復興」のために、希少疾患を抱えて生きる人々を見捨てないでください。*日本語
*RDIの許諾を得て、オリジナルPDFの共有ならびに和訳展開をおこなっています。
Rare Disease International(RDI)は、世界中すべての希少疾患とともに生きる人を対象としたグローバルなコミュニティです。世界中の国や地域の希少疾患患者組織、および国際的な希少疾患患者組織を会員とし、希少疾患当事者とその家族の世界的なネットワークを形成しています。
RDIでは、加盟組織を中心に実施したアンケート調査や各国調査をもとに、COVID-19状況下における希少疾患患者の現状を把握しました。本提言は、それらの結果を踏まえて作成されました。
RDIはWHO(世界保健機関)とMOU(連携覚書)を締結しており、本提言はWHOにも提出されました。
EURORDIS 提言(2020年6月10日発表)
Call to action for policy makers -How to protect people living with a rare disease as confinement measures are being lifted(Website)*オリジナル、英語
政策責任者への行動要請 -封鎖(ロックダウン)措置の解除に伴い、希少疾患患者をどのように守るか”*日本語
*EURORDISの許諾を得て、オリジナルPDFの共有ならびに和訳展開をおこなっています。
EURORDISは、COVID-19パンデミックが希少疾患患者に与える影響について、継続的に調査を実施し、それをもとに提言をまとめています。本提言では、2020年4月以降に実施している継続調査の中で、特に治療に及ぼした影響についての結果を分析し、封鎖(ロックダウン)措置の解除後の対応・対策について、政策責任者(実施者)への提言をまとめました。
前半部分には政策提言が、後半には提言で用いられた調査結果の概要が掲載されています。
EURORDIS 調査中間報告(2020年5月20日発表)
希少疾患患者の10人中9人が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う治療中断を経験 -調査が伝える“コロナウイルスが希少疾患コミュニティにもたらす悪影響”*日本語
*EURORDISの許諾を得て、オリジナルPDFの共有ならびに和訳展開をおこなっています。
本提言は、EURORDIS(欧州希少疾患患者協議会)が実施した、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が希少疾患患者に与えた影響に関する調査の中間報告(速報値)です。この調査は2020年4月に実施され、993の疾患からなるEU内外の5000人強の希少疾患患者およびその家族が回答しました。希少疾患患者がいかにCOVID-19の影響を受けているか、データで読み解くことができます。
なお、本調査は日本国内でも展開されており、今後EURORDIS調査とあわせて結果報告がなされる予定です(日本の状況と海外の状況は必ずしも同一ではないため、日本では国内状況に即した内容に一部改変されています)。
EURORDIS 提言(2020年4月8日発表)
政策決定者へEURORDISからの公開書簡:COVID-19パンデミック危機中に希少疾患患者とともに生きる人々を守るための提言(PDF)*日本語
*EURORDISの許諾を得て、オリジナルPDFの共有ならびに和訳展開をおこなっています。
本提言は、EURORDISが作成したCOVID-19パンデミック危機中に希少疾患患者とともに生きる人々を守るための政策提言です。現在の危機の最中に希少疾患を抱える人々、その家族、そして介護者たちの憂慮と必要性について、トピックごとに直面している課題、政策担当者への提言が記述されています。
本提言ではまた、随所にCRIIへの提言が盛り込まれています。欧州連合(EU)では2020年4月1日付でコロナウイルス対策投資イニシアティブ(CRII)が発効されました。このイニシアチブにより、加盟国は短期的な金融ショックに取り組むために、医療制度、労働市場、中小企業に支援を提供することができます。また、欧州委員会はさらなるアクションとして、COVID19 - Coronavirus Response Investment Initiative Plus(CRII+)に対する支援を動員するための新たな措置を提案しました。この新しいパッケージは、欧州構造・投資資金からの未使用の支援を最大限に活用できるようにするための並外れた柔軟性を導入することで、これまでのイニシアティブを補完するものでした。
本イニシアチブプラスは同年4月24日に発効されましたが、この提言は発効以前に発表され、希少疾患領域からの要望書ともなっています。
EURORDIS 提言(2020年3月31日発表)
希少疾病コミュニティは、COVID-19パンデミック危機の最中において、重大ケアガイダンスにおける差別について警告を発する。(PDF)*日本語
*EURORDISの許諾を得て、オリジナルPDFの共有ならびに和訳展開をおこなっています。
本声明は、EURORDIS加盟組織から寄せられた報告をベースに、COVID-19パンデミック危機の最中に患者の優先順位において救急/ICU医師の指針となるよう設計された臨床治療ガイドラインにおいて、希少疾患を抱える人々が差別されている現状に強く抗議した文章です。EURORDISは、医療に従事する全ての医師たちに対し、経験、観察および倫理的指針を駆使して患者の優先順位を決定するよう要請するとともに、具体的な提案もあわせて発表しています。
NORD/EURORDIS 共同声明(2020年3月30日発表)
NORD/EURORDIS-Rare Disease Europe Joint Statement on COVID-19 and Orphan Drug Legislation(PDF)*オリジナル、英語
COVID-19およびオーファンドラッグ法に関する、NORD/EURORDIS-Rare Disease Europeによる共同声明(PDF)*日本語
*NORD/EURORDISの許諾を得て、オリジナルPDFの共有ならびに和訳展開をおこなっています。
本声明は、NORD(National Organization for Rare Disorders、全米希少疾患患者協議会)とEURORDIS – Rare Diseases Europe(欧州希少疾患患者協議会)が連名で発表しました。ここでは、グローバル規模のパンデミックであるCOVID-19には希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に適用されるインセンティブは適切ではない、との主張がされており、オーファンドラッグと別軸での対応がCOVIDには必要であることが強調されています。一方で、オーファンドラッグ研究開発で得られた知見やリソースの活用は惜しまず、迅速に治療法の開発・承認がなされることを望んでいることが記されています。
米国患者組織 緊急声明(2020年3月16日公開)
29の患者組織・団体は、COVID-19に最も脆弱な人々を守るために、断固とした緊急措置を講じるよう議会議員に強く要請する。(PDF)*日本語
*NORDの許諾を得て、オリジナルPDFの共有ならびに和訳展開をおこなっています。
本声明は、ファミリーズ・ファースト・コロナウイルス対策法 (Families First Coronavirus Response Act (H.R. 6201))成立に向けた動きの一つとして、アメリカ国内29の患者組織による連名で公表されました。
本法は、無料のコロナウイルス診断検査の設置に加え、新型コロナウィルスの影響を受けた一定の労働者への有給休暇の保証や雇用主の税額控除などを盛り込んだ重要な法律です。法案は3月14日に下院で可決されましたが、異議を唱えた共和党議員が複数いたため遅れが生じていました。多くの患者組織が共同して発表された本緊急声明は、その2日後、3月16日に公開されました。その後、法案は3月18日に上院を賛成多数で通過し、同日トランプ大統領が署名しました。
こういった政治決断の狭間に出された「患者サイドからの声」が、法案通過への強力なサポートとなったことは言うまでもありません。